失敗した・古くなったアートメイク、むやみに覆わないでください — 除去とカバーアップを正しく知る
赤く・青く・グレーに変わったアートメイクや、他店で受けた古い跡は、ただ上から覆っても、きれいにはなりません。CYANは覆う前に、まず残った色の深さとアンダートーンから読み取ります。変色が起きる理由、補色補正とレーザー・リムーバーによる整理の違い、そしてなぜカウンセリングで診断から行うべきなのかを、安心してご理解いただけるように整理しました。
覆う前に、まず読み取ります — CYANの原則
古くなった、あるいは気に入らないアートメイクを見ると、早く新しい色で覆ってしまいたい気持ちになるのは自然なことです。けれどCYANはすぐには覆いません。肌の中にはすでに入れられた色素が残っており、その上に新しい色をのせると、二つの色が混ざって見えるからです。そこでまず、残った色がどれくらい深く入っているか、どんな色味(赤み・青み・グレーみ)に変わったか、そしてお客様の肌のアンダートーン(ウォーム・クール・ニュートラル)が何かを、落ち着いて確認します。この診断が終わってはじめて、補色で色を沈めて描き直すのか、それともレーザー・リムーバーで先に整理してから新しく描くのかを決めます。順序を守るだけで、仕上がりが大きく変わります。
なぜ赤く・青く・グレーに変わるのでしょうか
アートメイクの変色は、お手入れを間違えたからではなく、色素と肌の自然な反応であることが多くあります。茶色の色素に入った酸化鉄の成分が時間とともに酸化したり少しずつ位置を移したりすると、茶色が赤み・オレンジみとして浮かび上がります。また色素が肌に深く入りすぎると、光が散乱するチンダル現象で青灰色のように透けて見え、施術後の刺激でできた色素沈着が重なると、くすんで暗くなることもあります。もう一つ大切な点は、アートメイクの「半永久」という言葉は、時間とともに色が薄くなるという意味であって、ひとりでにきれいに消えるという意味ではないということです。薄くなりながらもグレー・青色の残り色が肌に残ることが多いため、新しく施術するときには、この残った色を必ず一緒に考慮しなければなりません。
補色補正 — 色を覆うのではなく、沈める原理
変色した色は、その色の反対の色(補色)を混ぜて彩度を下げる方法で、自然に沈めることができます。色相環で向かい合う色どうしは、互いの色味を打ち消し合うからです。たとえば青み・グレーみのある部位にはオレンジ系を、赤く変わった部位には緑・カーキ系を、黒く暗くなった部位には黄色系の補正色を加えて、色味を抑えます。お化粧で使うカラーコレクター(赤みに緑、青あざ・青みにアプリコット)とまったく同じ原理だとお考えいただくと分かりやすいです。ただし補色補正は、残った色を光学的に打ち消して目立たなくするものであって、色素を除去するものではありません。そのため、補正だけで十分なのか、整理が先なのかを、カウンセリングで正確に判断することが大切です。
むやみに覆うと、なぜいけないのでしょうか
失敗した色が見苦しいからといって、その上にさらに濃く暗い色をのせて覆うと、その場は隠れたように見えても、肌の中の色素の量そのものがだんだん積み重なっていきます。補正色を何重にも無理に重ねると、色が澄んで整うどころか濁って固まり、あとで本当に除去が必要になったときに、かえってより難しく複雑になります。とくにすでに色が濃すぎる場合や、デザイン・位置そのものが間違っている場合は、覆うことでは解決しません。また、とても暗く変わった部位を欲張って無理に修正すると、永久的に暗い色が残る危険もあります。だからCYANは、覆って解決できる部分と整理が先の部分を、正直に区別してご案内します。隠すより、きちんと診断するほうが、結局はより早くきれいな道です。
除去 — レーザーとリムーバー、そしてその限界
覆うことで解決しないときは、色素を薄く整理する除去を検討します。大きく二つの方法があります。レーザーは色素の粒子を細かく砕いて身体が排出するのを助ける方法ですが、アートメイク・アイライン・唇によく使われる酸化鉄や、肌色・ピンクの補正に使われる二酸化チタンの成分は、レーザーを受けるとかえってグレー・黒に固まってしまう逆説的な黒変が起きることがあるため、注意が必要です。そのためレーザー除去は、医療機関で目立たない小さな部位にまず試験照射をしてから進めるのが原則です。生理食塩水(リムーバー)の方法は、浸透圧で色素を引き上げてかさぶたとともに排出する方法で、黒変のリスクは比較的低いものの、効果に個人差が大きく、複数回が必要なことがあります。どの方法であっても一度で完全に消せるとお約束するのは難しく、回復期間をおいて段階的に取り組む必要があります。
他店の残り跡・古いアートメイクがある方は、まずカウンセリングから
他の場所で受けた跡が残っていたり、数年前に受けたアートメイクが変色してお悩みの方には、決定を急がず、まずカウンセリングをおすすめします。同じ赤み・青みでも、色素の深さと量、お客様のアンダートーンによって、補正で十分な場合と整理が先の場合が変わるからです。CYANは残った色を目だけで判断せず、深さと色味、肌のトーンを併せて読み取り、もっとも負担の少ない道をご提案します。レーザー除去が必要だと判断した場合は、医療機関と連携して安全に進めていただけるようご案内します。今の色が気に入らなくても大丈夫です。正確に診断することから、もう一度はじめれば大丈夫です。