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肌タイプと色の定着 — なぜ人によって仕上がりや持ちが違うのか

「友達は同じ色でしたそうなのに、私だけなぜくすんで浮いて見えるんだろう…」 こうしたお悩み、カウンセリング室で本当によく聞きます。同じ色素に同じ施術者でも、結果は人によって変わるのです。皮膚の厚みと皮脂、そして皮膚の下に敷かれた基底色調(アンダートーン)が、色を選び、定着し、どれだけ長く持つかをすべて変えてしまうからです。CYANがおひとりおひとり新しく設計する理由を、難しくない肌の話でかみくだいてご説明しますね。

色は「皮膚の上」ではなく「皮膚の中」でつくられます

まずこれからです。アートメイクの色は皮膚の表面に塗るのではなく、皮膚の「中」に定着しなければならないのです。 皮膚は上から表皮・真皮・皮下脂肪、というふうに層に重なっています。一番上の表皮は血管もない薄い保護膜で、一ヶ月ほど(約28日)ごとに細胞が新しく入れ替わる層です。その下の真皮は表皮よりなんと15〜40倍も厚く、血管や神経、コラーゲンが集まった本当の肉づきです。 アートメイクの色素は、この二つが接する境界、つまり真皮の一番上の部分(乳頭層)にちょうど置かれてこそきれいです。浅すぎて表皮だけにとどまると? 一ヶ月ごとに角質が入れ替わりながら色がさっと抜けてしまいます。かといって欲張って深く入れすぎると、色がにじんだり、深い色が表皮を通して透けて青灰色に浮いて見えるのです(これをチンダル現象といいます)。ですから「きれいな色を選んだか」より「ちょうど合う深さに正確に置かれたか」が先です。発色と持ちはそこから始まるからです。

同じ色なのに、友達はくっきり、私はくすんでいるなら

ここで皆さん胸の内で一度はされる心配を、私が先にお出ししますね。「確かに同じ色でしたのに、なぜ私だけ暗く濁って浮いて見えるんだろう?」これです。答えは肌タイプにあります。 皮膚科で使うフィッツパトリック分類というものがあります。メラニンの量と日光反応で皮膚を1型から6型まで分けます。メラニンが少ない明るい肌(1・2型)は赤くなりやすく、メラニンが豊富な暗い肌(4〜6型)は日焼けしにくい代わりに、刺激を受けるとその場所に色素が残る傾向があります。教材でも3型からは炎症後の色素沈着が生じ、4型はほぼ必ず現れると見ます。 ところでアートメイクは針で表皮・真皮の境界をちょんちょん繰り返し刺激する、いわば「計画された小さな損傷」なのです。だから暗い肌ほど施術後に自分の皮膚がメラニンをより重ねて、最初に意図した色より暗く、または濁って定着することがあります。同じ色素を使っても人によって結果が分かれる一つ目の理由が、まさにこれです。

本当の発色 = 入れた色素 + 自分の肌のアンダートーン

肌の明るさとはまた別に、皮膚の下には温かい、あるいは冷たい基底色調が敷かれています。これがアンダートーンです。 この色調は三つがつくります。ヘモグロビン(赤、ときに青)、カロチン(黄)、メラニン(茶・黒)。だからアートメイクで目に見える最終的な色は、「自分が入れた色素」の上に「自分の肌のアンダートーン」が一枚重なった結果なのです。アンダートーンを読み違えると、施術後にまったく違う色に定着したり、変色して見えるのです。 簡単に考えると、メイクのときのカラーコレクターとまったく同じです。赤みには緑、くま・青みにはサーモンを重ねて整えますよね。アートメイクもそうです。赤みのある肌に冷たいグレーの眉色を使うとグレートーンに浮いて見えるので、冷たい(青みの)肌にはオレンジベースの茶色を、温かい肌には黄みを含んだ冷たい色素でバランスをとります。原理はシンプルです。冷たいアンダートーンは温かい色で補い、温かいアンダートーンは冷たい色で中和するのです。

皮脂と毛穴 — 同じデザインでも鮮明さが変わります

肌タイプは色だけを分けるのではありません。質感でも結果が分かれるのです。 真皮には皮脂腺が広がっていますが、皮脂が多く毛穴の大きい肌は、色素が定着する間に線の境界が柔らかくほどけやすいです。細い線がくっきり残りにくく、時間が経つほどさらにぼやける傾向があります。逆に乾燥して薄い肌は色がくっきり残る代わりに、刺激に敏感なので深さを一段階浅くしなければなりません。 だから同じデザインでも手の使い方を変えます。脂性・毛穴の大きい肌には線を細かく入れすぎるより毛並みを活かす技法に一段濃い色を考え、乾燥・薄い肌には浅い深さに柔らかい色を選びます。肌が違えば、同じ結果を出すために使う方法も違わなければならないからです。

CYANは「今日きれいな色」ではなく「1〜2年後に定着する色」を見ます

この部分が一番大切なので、必ず押さえておきますね。アートメイクは施術直後の色がそのまま残る施術ではありません。 色素はふさがる過程と薄くなる過程を経ながら定着しますが、その間にも自分の皮膚のメラニンとアンダートーンが最終的な発色に手を加え続けるのです。ですから施術当日に鏡の中の色が結果ではなく、回復と退色をすべて経て1〜2年後に皮膚に残る色が本当の結果です。 だからCYANは、今すぐ明るくきれいに見える色をぱっとのせません。肌タイプ(明るさ・皮脂・厚み)とアンダートーン、そして時間とともに色がどちらへ流れるかまで一緒に計算して、1〜2年後にも意図した色で残るよう逆算して設計するのです。 そして正直に言うと、これらすべての変数が人によって違うので、同じ色素に同じデザインがすべての人に同じ結果を与えるわけではありません。だから決まったカラーチャートをそのまま写すのではなく、カウンセリングで肌を直接読み取って、深さ・技法・色素をその方の肌に合わせて毎回新しく組み合わせます。アンダートーンは照明やその日のコンディションによって違って見えることがあるので、いくつもの手がかりを交差させて見て、暗かったり色素沈着の傾向がある肌はより控えめにいきます。おひとりだけのための設計 — これが人によって違う結果を、一番よい結果に変える道だと信じているからです。

3行まとめ

1. アートメイクの色は皮膚の「中」のちょうど合う深さに定着しなければならず、同じ色素でも皮膚の厚み・皮脂・アンダートーン・メラニンによって発色と持ちが変わります。 2. 本当の発色は「入れた色素 + 自分の肌のアンダートーン」なので、冷たいトーンには温かい色・温かいトーンには冷たい色でバランスをとります。皮脂・毛穴・皮膚の厚みによって技法と色も変えます。 3. だからCYANは今日きれいな色ではなく1〜2年後に定着する色を見て、おひとりずつ直接肌を読み取って新しく設計します。写真だけでは断言できないので、結局は直接見て決めるのが正しいのです。